かぐや姫の物語
高畑監督の作品 かぐや姫の物語を観ました。
かぐや姫は絵本での短い話しかイメージに無かったので、そこまで興味もなかったのですが、観てみると面白かったです。
なんというか…
自分の考える幸せを人に押し付けるのは良くない。何が幸せかは人による。
と強く思いました。
父親と娘のすれ違い、権力者のセクハラなど
結構深いなぁと感じました。
帝が勝手に乗り込んできて、かぐや姫を後ろから抱きしめ
「私にこうされて喜ばない女はいない」
みたいなことを言ったシーンはゾッとしました。
嫌悪するかぐや姫の表情が凄く良かったです。
あと翁が…基本的にはかぐや姫の幸せを願っているのはわかるのですが、どうしても許せなかった所があります。
月から迎えが来てしまうことを父母に打ち明けた時に、迎えが来る理由を
帝の件が嫌すぎて一時「もうここに居たくない」と願ってしまったからだと話すかぐや姫。
それに対して「ひどいじゃないか」というような返答の翁。
えぇ~…?
まず、そんなに嫌だったのか…という理解と、無理強いしてきた謝罪が先では…?
と思ってしまいました。
自分を置いていくことへの非難だけするとは…。
まぁ、帝がしたことですし翁には止められなかったかもしれませんが、何だかあの返事は納得できませんでした;
大事に育ててくれていたことは事実だし否定はしないのですが、考えのすれ違いって悲しいなぁと感じました。
実際こういう親切?が大きなお世話になってしまうパターンはあるあるですし、でも「余計なことかもしれない」と考えすぎると人のために動くのが怖くなる。
難しいですね。
人の意見を聴くのも、意思表示するのも大事だなぁとあらためて感じました。
最後両親との別れは、実家から離れた土地で暮らしている私にはグッと来てちょっと悲しくなりました。
他にも、すてまる兄さん妻と子いるのに…とか色々思ったことはありましたが、強く印象に残ったのは上に書いた所でした~。
キラキラした綺麗な絵柄ではありませんが、だからこそわざと荒いタッチにしたり等、画面から心理描写などが伝わってくる良い作品でした。